本が育む縁「泊まれる図書館」の魅力 “漂流文庫”と海の癒やし求めて…

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香川県佐野市に新たな文化の拠点が誕生しました。「泊まれる図書館」として知られるこの施設は、海と本が織りなす独自の体験を提供しています。昨年オープンしたこの図書館は、壁一面に海にまつわる書籍が並び、隣にはゆったりと本を楽しめるカフェスペースが完備されています。利用者は、海までわずか30秒の距離で、心地よい海風を感じながら読書を楽しむことができます。

図書館の運営者、黒川さんは、ゲストハウスを営んでいた際に訪れた東京からの客の一言に触発され、このユニークな施設を立ち上げました。ここにある「漂流文庫」は、地域内外から寄贈された約8000冊の本を集めたもので、利用者は本を借りることで新たな旅に出ることができます。貸し出し期間は驚くべき2年。借りた本がどこに行くのか、どのような人に渡るのか、利用者の想像を掻き立てます。

この図書館は、地域の人々に本との出会いを提供するだけでなく、宿泊施設を通じて持続可能な運営モデルを模索しています。地域外から訪れる人々が宿泊費を支払うことで、図書館の運営費が賄われる仕組みです。これにより、図書館のない地域においても本に触れる機会が生まれ、地元の子供や高齢者も楽しむことができます。

黒川さんは、今後全国の飲食店やカフェと連携し、漂流文庫の本棚を設置する計画を進めています。海の図書館は、今日も新たな出会いを生み出し、訪れる人々に忘れられない体験を提供しています。この独自の場所が、どのように未来を切り開いていくのか、目が離せません。

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