車が「ガコン」水浸しの穴に転落 水道管破損し道路陥没 松江市は過去2度の漏水を把握も対応せず(島根)

大きな音を立てて急停止した車…前方が水に浸かり、大きく傾いています。
車体は半分浮いた状態に。
なぜこんなことになってしまったのか…決定的な瞬間をカメラが捉えていました。

8月14日夜、松江市に設置された防犯カメラの映像です。よく見ると雨が降っていないにも関わらず、道路から水が浸み出ています。
30分後には一帯が水浸しに…大きな水たまりができています。
下から水が湧き上がっているような様子も確認できました。
そして…その場所に走って来た車がはまってしまいました。
動かそうと試みますが、抜け出せません。
運転手は助手席側に回り…なんとか車から降りることができました。
幸いけがはなかったということです。

現場には大きな穴…道路が陥没していました。

中村友香記者:
道路が陥没したのは、松江市黒田町の市道で、大きな通りではありませんが、近くにはスーパーマーケットやアパートなどがあり、比較的通り交通量が多いということです。

14日午後7時過ぎ、通りかかった複数の人から「道路から水が噴き出している」と松江市に連絡があり、市が駆けつけたときにはすでに車がはまった状態でした。
なぜ陥没したのか…

松江市上下水道局・橋本真課長:
漏水によって水が湧き出して、砂や砂利を持ち上げた形になり、路面まで出てきて、そこにたまたま車が通って、それが陥没の原因だと考えています。

松江市上下水道局によると、穴は直径約2メートル、深さ約60センチで、設置から40年経ったポリエチレン製の水道管の劣化が陥没の原因とみています。

この影響で、近くの26世帯が一時断水しましたが、すでに道路と水道管は復旧しています。

水道管の老朽化による道路陥没で思い起こされるのは、2025年1月に起きた埼玉県八潮市での事故です。
陥没によって生じた穴にトラックが転落し、約3か月後に運転手の男性が下水道管内で遺体で発見されました。

松江市上下水道局・橋本真課長:
埼玉県八潮市の陥没事故は下水道の管だったんですけど、松江市も上下水道局ですので、下水道の点検はあの後国の通達も来ていたので実証を行いました。

市は埼玉県での事故を受け、国の指示に従い、劣化の可能性が高い市内5か所の上下水道管の点検を行ないましたが、今回の場所は該当していませんでした。
その一方で、市は直近1年の間に同じ場所で同様の漏水が2回起きていたことを把握していましたが、配管の入れ替えをすぐに行なうことはありませんでした。

松江市上下水道局・橋本真課長:
漏水があったらその路線全部を直すというのは実証できませんので、頻発したり、そういったことがあれば優先順位を変えて敷設替えを行っています。

一歩間違えれば大きな事故につながりかねなかった道路の陥没。今回の事故を受けて市上下水道局は、配管の補修計画を見直し、今回破損した配管については、早ければ8月末から入れ替え工事を始めるとしています。

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