手つかずの大自然を満喫でき、登山客に人気の知床半島・羅臼岳。
しかし8月14日、登山客の曽田圭亮さん(26) がクマに襲われ、亡くなる事故が起きた。
羅臼岳登山口では閉鎖続く
15日、親子グマ3頭が駆除されたが、曽田さんを襲った個体なのか、DNA鑑定が続いている。
夏の観光シーズン最盛期に起きた事故。
観光にも大きな影響が出ていて、「知床五湖」の遊歩道が一時閉鎖となったほか、羅臼岳の登山口は閉鎖が続いている。

観光にも大きな影響
「残念だなと思いますね。ただ仕方ないですよね」(東京の観光客)
「きょう羅臼岳を登る予定だった。ちょっと怖いね」(愛媛の観光客)
「何人かで歩いているからあんまり感じないが、一人で歩いていると怖いでしょうね」(奈良の観光客)
斜里町の観光客数を月別で見てみると、2024年は夏に向けて増え、8月にピークとなった。

クマの出没にどう備え、管理していくのか。
斜里町のキャンプ場では―
「(バンガローの)予約はキャンセルだらけ。3~4割、下手すれば5割がキャンセル。去年と比べると3割ぐらいは減っている。安全策は裏に電気柵があると言っているが、『クマは大丈夫?』と聞かれても100%大丈夫とは言っていない」(国設知床野営場管理人 江刺隆夫さん)

ネイチャーガイド歴40年の綾野雄次さんは―
「場所によって全然違う、例えば知床五湖とかはガイドが案内してツアーするようになっているんで、かなりの安全性が担保されてます。一般の人がこう自由に出入りできる場所はいろんな人がいますから。だから管理はかなり難しいですね」(星の時間ガイド 綾野雄次さん)

関係者も苦悩している。
クマの好物が不漁? 心配な情報も
一方、地元の漁師からはクマの好物が不漁だという心配な情報も―
「カラフトマスが昔ならば1日何千ととれたが、今はもうゼロに近い。当然クマもエサがないのでは」(地元の漁師 古坂彰彦さん)

クマによる人への被害を防ぐため、早急な対策が求められている。
羅臼岳のヒグマ被害
まさに観光シーズン最盛期を迎えている知床だが、羅臼岳でヒグマによる被害が発生。
この羅臼岳の登山道付近では、7月下旬ごろから親子グマの目撃が相次いでいた。
母グマ1頭に子グマ2頭という、3頭の親子グマがセットで目撃されるケースが続いていた。
そして8月14日、登山客の曽田さんが襲われるという事故が発生。
15日に親子グマ3頭が駆除されたが、この3頭が曽田さんを襲った個体かどうかは現在DNA鑑定で確認中だという。
これにより知床五湖の遊歩道は一時閉鎖されていたが、18日に再開された。
一方、羅臼岳は全ての登山道が現在も閉鎖中とのことで、この観光シーズン中、地元の方々も気が気でない状況だ。

環境省は、安全が確認されるまで羅臼岳への立ち入りを禁止している。