13日、大阪・関西万博につながる大阪メトロ中央線が、一時運転を見合わせた影響で、多くの人が帰宅困難となりました。
3万人ほどが一時、会場とその周辺に滞留したとみられます。
■唯一の鉄道ルートが運転見合わせ 3万人が滞留
13日、午後9時半ごろ、会場に向かう唯一の鉄道ルートの大阪メトロ中央線が、運転を見合わせる事態となりました。
会場周辺は人でいっぱいとなり、次のようなアナウンスも。
【アナウンス】「ただいま大阪メトロ中央線、運転見合わせとなっております。そのため一度、会場内にお戻りください」
帰宅困難となった客は、会場内に戻されましたが、協会によると3万人ほどが一時、会場とその周辺に滞留したとみられます。
【東大阪から来場】「ゲート出ようと思ったら、電車が止まったってアナウンスあったんで、こっち戻って待ってる。一番不安なことが起こってしまった」
【札幌・栃木から来場】「足痛かったりとか…ホテル帰りたいです」
【大阪から来場】「疲れは出てるんですけど、こんな機会ないので、逆に頑張るしかないかな」
■万博会場で一夜を明かした人も
孤立状態となってしまった万博。
大阪市内では13日、最低気温28.2度と熱帯夜となるなか、会場のベンチで横になる人の姿もみられました。
バスや徒歩で帰った人もいましたが、なかには万博の会場で一夜を明かした人も多くいました。
神戸市から家族5人で訪れていた女性は…。
【会場で一夜を過ごした人】「東ゲート近くもけっこうギッシギシで、皆さん雑魚寝してる状態で。(朝方に)スタッフさんがいらっしゃったんですけど、ご自身も帰宅困難者なのに、段ボールに『#オールナイト万博』って書いて、『写真撮りますよ』って声かけてくださってて、少しでもいい思い出になっていただけたらと対応してくださった」
■「快適に過ごせるよう」と吉村知事 海外パビリオンも自主的に対応
吉村知事はSNSでパビリオンなど施設を開放すると説明していました。
【吉村洋文大阪府知事】「できる限り施設開放して、少しでも快適に過ごせるよう努めます」
ヘルスケアパビリオンでは、のべ2000人ほどを受け入れ、水やパンも配りました。
さらにポルトガル館など、海外のパビリオンも自主的に施設を開放。
電力館では、電源タップの提供など対応にあたりました。
■万博内で一夜を過ごし… 翌日の開場時間は30分遅れに
そして中央線が全線で運行を再開したのは、午前5時半ごろ。
万博内で一夜を過ごした人たちが、早朝に会場を後にしました。
中には、なかなか見られない万博の会場からの日の出などを満喫した人もいたようですが、体への負担は大きかったようです。
【会場で一夜を過ごした人】「子供がそわそわしたり、『寝られない』と言ったりしてた。あとは(スマホの)充電大丈夫かなというところ。明け方になると、みんな汗臭くなって、しんどいねって話してた」
また、この影響で14日の「開場の時間」が、午前9時から9時半に変更することになりました。
【きょうの万博来場者】「仕方ないですね。スタッフも帰れなかったと思うんで」
【きょうの万博来場者】「なかなか大変やなと。もうちょっと早い決断をしてほしかったと、正直思います」
■万博で増便が原因か? 「停電の原因特定に時間かかった」
夢洲から出るための唯一の鉄道ルートがストップしたことで起きた今回の混乱。
【記者リポート】「およそ300メートルに1カ所設置されている、管のような『ジャンパー線』がショートしたことが原因だということです」
大阪メトロは記者会見を開いて謝罪し、「停電した原因などの特定に時間がかかり、運行再開までにおよそ8時間要した」と説明しました。
【大阪メトロ 堀元治常務取締役】「過去にこのような事象はなかったというふうに認識しています」
(Q.万博での列車の本数増が原因?)
【大阪メトロ 堀元治常務取締役】「列車が動くことで、(ほこりなどが)たまりやすくなることは認識している。(本数が増えた)その部分での可能性は、否定できない」
■36人が病院へ 万博協会「ある程度きちんとできた」「しっかり検証して改善」
万博の運営側は、来場者を会場内に戻し、夜通しで対応しましたが、熱中症のような症状などで36人が病院に運ばれたということです。
今回の一連の対応について万博協会は「全体としてはある程度きちんとできた」と話しました。
【博覧会協会 高科淳副事務総長】「結果として大きな事故は起きてないと思いますし、きょうも9時半に開場することができている状況ですので、全体としては、ある程度きちんとできたのではと思っている。他方で個別の点をみると、色々な反省点があると思うので、そこについては今後しっかり検証して、改善すべきものは改善していく」
万博の閉幕まで、あと2カ月。
今回のような混乱が再び起きないよう、さらなる対策が求められます。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月14日放送)