35度を超える猛暑日となった、8月中旬の正午過ぎ。都内の一軒家から出てきたのは、俳優の四代目(49)だった。
彼は、水色のTシャツに濃青のショートパンツ、そして青い日傘という、“全身ブルー”の格好で近所のゴミ集積所へ。
「台本を執筆中だとうかがいました。復帰の予定はあるのでしょうか?」
本誌がそう取材を申し込むも、猿之助は傘で顔を隠し、質問にも終始無言のままだ。彼はまっすぐ前を見据え、表情を変えることなく自宅へと戻っていった。
世間に衝撃を与えた猿之助の“一家心中事件”から、2年以上が経過した。
「’23年5月、猿之助さんは、父・市川段四郎さん(享年76)と母・延子さん(享年75)と、自宅で一家心中を図りました。
事件の直前に、一部報道で自身のハラスメント疑惑が報じられることを知ったのが、直接の引き金となったといわれています。
ご両親は亡くなったものの、猿之助さんだけが生き延び、自殺ほう助の疑いで逮捕。同年11月に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が下されました」(関係者)
かつてはのみならず、ドラマや映画にも多数出演するなど、役者として成功を収めていた猿之助。しかし、事件後は表舞台から姿を消し、その私生活の様子が報じられることもほとんどない。
「猿之助さんは判決後も、事件が起きた家に居住しています。ときおり、事件後に飼い始めた愛犬を自転車に乗せて近所を移動する姿が目撃されているそうです」(猿之助の知人)
活躍の場を失ったことは、彼の金銭事情に少なくない影響を与えているようだ。
「猿之助さんは、収入源をなくしてしまったことから、生活に必要なお金も知人から借りているそうなのです。
また最近、つらい事件の記憶を少しでも忘れようとするためか、ご両親の遺体が発見されたリビングを和風から洋風に改装したそうです。そののための資金も必要だったのでしょう。
熱心に収集していた骨董品なども、そのほとんどを手放したそうで、事件以来、著しい“金欠状態”が続いていると聞いています」(前出・猿之助の知人)
■執行猶予期間の満了まで待っていられない
だが’25年1月に出版されたのガイドブック『かぶき手帖 2025年版』には猿之助も紹介されている。梨園では役者としての復活が既定路線とされているようだ。
そんななか、彼は、現在大ヒット中の映画の版に再起をかけているという。
前出の関係者が語る。
「現在、猿之助さんは、人気漫画『鬼滅の刃』のバージョンの台本を執筆中だといいます。もともと、同舞台は猿之助さんの総合演出の下で『スーパーII
鬼滅の刃』として’24年に上演予定で、彼自身も出演するはずでしたが、事件によって中止になりました。
今夏に『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章』の興行収入が280億円を突破したこともあり、この人気に乗じるためにも、台本に再び取り組んでいるようです」
猿之助の執行猶予期間が満了するのは、3年後の’28年。しかし、彼本人としては、そこまで待っていられないという心境のようだ。
「猿之助さんは、’14年に『スーパーII』を立ち上げ、’15年には『ワンピース』などのコラボ作品を実現させています。
前回の『鬼滅』の上演中止は、『スーパーII』が軌道に乗った直後の中断だったため、猿之助さんとしても非常に悔いが残っているようです。
映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』は三部作として構成されており、第二章以降の具体的な公開時期は未定ではあるものの、来年以降も『鬼滅』ブームは依然として続いていくと思われます。
そのため、同作のバージョンの再演に向けた猿之助さんの思いは並々ならぬものがあるそう。次回作の公開を目途に、台本に関しては来年までの完成を目指しているといいます。
ただ、執行猶予が明けるまであと3年あることから、舞台には立たず、あくまで裏方として関わることに徹することになるようです」(前出・関係者)
かつてのような華やかな生活に戻れる日は来るのか――。